読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

未来メモリー

未来の自分に誇るメモリー

虚言癖らしき人に接してその行動パターンを学んだ思い出

何年か前に職場に繁忙期のみの期間限定の契約社員の人がやってきたんだけど、彼女は虚言癖だったと思う。仮にAさんとしよう。

私はAさんとはあまり関わらなかったが、優しくて穏やかな同僚のBさんはAさんに気に入られたらしく、二人は時々お喋りしていた。

ある日、AさんのいないところでBさんが「Aさんって実は芸能活動しているらしいよー」と言い出して、その活動の詳細を教えてくれた。

  • 複数のアーティストにいくつか楽曲提供をしているから、印税収入がある。
  • △△や◎◎という芸能人はAさんの友人。
  • 過去に○○という雑誌のモデル活動をしていた。

こんなことを話すBさんの表情も半信半疑。

楽曲提供については、まあ芸名を使っていたとしたら一概に嘘とは言えないけど、雑誌のモデルは、嘘だろー…。Aさんは確かに整った顔立ちをしてるものの、スタイルは超普通。身長も顔の大きさも手足の長さも、至って普通。雑誌○○のモデルをやるにはどう見ても普通すぎる。

Bさんの話を聞いてから興味を持ってAさんの名前でググったが、Aさんの本名での芸能活動はヒットしない。もし芸名で過去に何かやっていたらわからないけど…と思っていたら、あるSNSでAさんらしきアカウントを発見した。早速見てみると、少しぼやけてはいるものの写真が明らかにAさん本人。そのSNS上にはあまり投稿がなかったが「ブログも書いています」とプロフィールにリンクが貼ってあったのでブログも読んでみたところ、驚くべきことにそのブログが嘘だらけだった。

結構マメに更新されていて、日付から判断するに、新しい職場としてうちの職場のことらしきエピソードが書かれている。でもその内容が無茶苦茶。

  • 気乗りしなかったが是非来てほしいと言われて、新しい職場に行くことになった。
  • 次期社長候補として異例の厚待遇で迎えられ、個室と秘書があてがわれた。
  • 同僚からやたら美人だと褒められて戸惑っている。

などなど…

いやいや全て事実無根。アナタ普通の契約社員じゃないですか。まさかリアルを知っている人間にブログを読まれているとは全く思わず、好き放題書いていたのだろう。何だかブログを見つけてしまって、逆にこちらが申し訳ないような気持ちになってしまった。

もちろんブログ見たよとAさん本人に告げることはできず、しかし着々と更新される8割方嘘の書かれているブログをこっそり閲覧することも止められず…。そうこうしているうちに、当初の予定より早く契約を打ち切られてAさんは辞めていった。どうやらあまりに仕事ができず、勤務態度にも問題があったため、契約満了まで待てずに上司が匙を投げたらしい。

結局Aさんの芸能活動の真偽はわからぬままだが、あの嘘だらけのブログを読むかぎり、故意か天然か、嘘をつくことへの心理的抵抗が異様に小さいタイプの人のようなので、虚言癖だったのだろうなと自分の中では結論付けている。

ちなみに私は一度だけ、職場でAさんと会話中、以前の会話の内容とハッキリ矛盾しているところをチクリと指摘したことがある。矛盾を認めるかなと期待しての指摘だったのだが、Aさんは認めるどころかあからさまに機嫌が悪くなり、辻褄の合わない言い訳を重ねて頑として自分の発言の訂正はしなかった。

 

Aさんの行動を見るに、とにかく他人からの称賛が欲しい、他人からすごい人だと思われたいという欲求がとても強く、それ故に簡単に嘘をついてしまうのだろうなと推測する。

そして嘘をついたと認めることは、自分の弱味を見せること、自分の価値を下げることなので、どんなにおかしな言い分でも絶対に認められないのだろう。

自分を苦しめる生き方だと思うが、本人がそれを矯正する意思がなかったらおそらく他人の力ではどうにもできない。彼女は今もどこかで、一つでも多くの賛辞の言葉を受けるために、ありもしないことを語り続けているのだろう。