未来メモリー

未来の自分に誇るメモリー

今秋に映画化の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」最後に全てが繋がるファンタジックミステリー

※ネタバレはありません。

東野圭吾の書評が続く。2017年9月に映画化される「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。
そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。
廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。
時空を超えて過去から投函されたのか?
3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが……。
次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。
悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?

あらすじはAmazon商品紹介ページより。
「秘密」や「時生」の流れを汲む、ファンタジー要素のある作品。
限られた空間のタイムスリップ(時空間のねじれ?)という設定が物語を動かし、現在、過去と様々な場面を行き来しつつ、最後にあらゆる話が繋がってまとまるのが快感。
未読の人はあらすじを読んだだけでは、どんな物語かいまいち予想できないだろうが説明が非常に難しい。この通りの内容で、これ以上説明できない。
「雑貨店主による手紙のお悩み相談」
「幼くて愚かだが憎めない3人組」
「人の心を動かすある名曲」
これらを軸に、まるで短編集のように、章立てされたいくつかのエピソードが悩み相談という形で現れては完結するのだが、実は各々のエピソード同士にはどこかで繋がりがある。
エピソード同士のつながりが意外なので「あっ、これはここと繋がっていたのか」と腑に落ちると次のエピソードが気になって仕方なくなるつくりで、私は一気に読了してしまった。

登場人物が魅力的なのもまたいい。

私が特に好きなのは三人組のリーダー敦也、売れないシンガーソングライター松岡克郎、天賦の才能を持つ歌手の水原セリ。

映画版キャストを調べると、敦也が山田涼介、松岡が林遣都、セリが門脇麦

うっ、ううーーん…。それぞれの役者は決して嫌いじゃないんだけど何かちょっとずつ地味だな…。個人的には期待外れ。

映画版のキャストで登場人物のイメージが固定されてしまう前に、原作を読んでみてもらいたい。

でも本音を言うと東野圭吾のこの手の小説の最高傑作は「時生」だと思う。「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の帯に「東野圭吾史上もっとも泣ける感動のミステリー」と書かれているけど、「時生」は超えていないと思うのよ。

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

時生 (講談社文庫)